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愛犬の歩き方が変?|変形性脊椎症や脊髄疾患の症状・ケア方法を解説2025年04月15日

年齢を重ねると、体にさまざまな症状が現れるのは、人も犬も同じです。
愛犬が以前より歩きづらそうにしていたり、お散歩をためらう様子を見せたりすると、心配になる飼い主様も多いのではないでしょうか。
こうした変化の背景には、加齢に伴う骨や関節への負担が関係していることがあります。

今回は、加齢によって発症しやすい変形性脊椎症をはじめとする脊髄・脊椎の病気について、それぞれの違いや症状を解説します。
また、老犬のケア方法や治療の選択肢についても詳しくお伝えしますので、大切な愛犬の健康を守るための参考にしてください。

■目次
1.変形性脊椎症とはどんな病気?
2.その他の脊髄・脊椎疾患は?
3.注意すべき症状
4.診断と検査について
5.治療方法
6.日常生活でのケアポイント
7.まとめ

 

変形性脊椎症とはどんな病気?


脊椎とは、首から背中、尻尾にかけて連なる骨のことで、体を支えるとともに脊髄という太い神経を守る大切な役割を持っています。

変形性脊椎症とはその名の通り脊椎が変性する病気で、隣り合う骨に橋のようなもの(架橋)骨の突起(骨棘)ができることが特徴的です。
特にボクサーなどの特定の犬種で起こりやすいことが知られています。

この画像は「犬の変形性脊椎症」に関する図解で、犬の骨格図とともに、脊椎に骨のトゲや橋のような突起ができる様子を説明しています。

この病気は加齢に伴う自然な変化の一つであり、多くの場合、痛みやふらつきといった症状を引き起こすことはほとんどありません。そのため、普段の生活で気づくことは少なく、健康診断の際に偶然見つかるケースも多い病気です。

 

その他の脊髄・脊椎疾患は?


一方で、シニア期になると、症状が現れる脊髄・脊椎の病気もあります。代表的なものとして、以下のような病気が挙げられます。

 

椎間板ヘルニア
椎間板が変性し、神経を圧迫することで痛みや麻痺を引き起こす病気です。若い頃に急に発症することが多いですが、高齢になってから徐々に症状が現れることもあります。主な症状として、背中や腰の痛み、歩行時のふらつきなどが見られます。

 

脊髄・脊椎腫瘍
脊髄や脊椎に腫瘍ができる病気で、痛みや麻痺といった症状が現れることがあります。腫瘍の種類や進行度によって、症状の程度は異なります。

 

変性性脊髄症
ジャーマン・シェパードウェルシュ・コーギーなどの犬種で発症しやすい病気です。後ろ足から徐々に麻痺が進行し、最終的には歩行が困難になることもあります。痛みを伴わないのが特徴です。

 

注意すべき症状


愛犬に次のような様子が見られたら、脊髄や脊椎の病気が隠れている可能性があります。早めに動物病院を受診し、適切な診察を受けることが大切です。

この画像は、犬の変形性脊椎症に関連する主な症状を示しています。立ち上がりにくい、あまり動こうとしない、階段の上り下りをためらう様子がイラストで表現されています。

・階段の上り下りを嫌がる
・踏ん張っているのに、なかなか立ち上がれない
・あまり動こうとしない
・後ろ足を引きずる

これらの症状が続く場合、病気の種類によっては徐々に歩くことが難しくなったり、QOL(生活の質)が低下したりすることもあります。

 

診断と検査について


脊髄や脊椎の病気を正確に見つけるには、動物病院での検査が欠かせません。

まず、ご家庭での様子や気になる症状を詳しく伺い、歩き方や刺激に対する反応を確認します。その後、神経学的検査画像検査を行い、より詳しく診断していきます。

特にレントゲン検査は重要な検査の一つです。レントゲンでは骨などの硬い組織がはっきりと映るため、脊椎の異常を発見しやすいというメリットがあります。
ただし、細かい部分の変化までは分かりにくいため、より詳しく調べる必要がある場合はCTやMRIを用いることもあります。

 

治療方法


脊髄や脊椎の病気に対する治療法は、原因となる病気や症状の程度によって異なります。一般的には、以下のような方法が選択されます。

<軽度または無症状の場合>
経過観察(特に変形性脊椎症など)
保存療法(痛み止めや炎症を抑える薬の投与など)

 

<重症の場合>
手術による外科療法

また、一部の腫瘍では化学療法放射線治療を併用することもあります。

手術を行った場合、運動機能の回復にはリハビリが欠かせません。愛犬の状態に合わせて少しずつ負荷をかけ、徐々に動きを取り戻していくことが大切です。

ご家庭では、マッサージや温熱療法(患部を温めるケア)は、愛犬のリハビリをサポートする方法としておすすめです。具体的な方法については、お気軽に獣医師までご相談ください。

 

日常生活でのケアポイント


愛犬の脊椎への負担を減らすために、ご家庭でできる工夫を取り入れましょう。

適度な運動を心がける
無理のない範囲で体を動かすことは大切ですが、ジャンプや急な方向転換を伴う激しい運動は避けましょう

 

寝床や生活環境を整える
寝床には、体圧を分散できるマットレスやクッション性のあるベッドを用意すると、体への負担を軽減できます。また、床が滑らないようにカーペットやマットを敷くのもおすすめです。

 

体重管理をしっかりと
シニア期になると代謝が落ちるため、フードの量や種類を見直し、適正体重を維持できるように調整しましょう。

 

まとめ


脊髄や脊椎の病気には、無症状のまま進行する変形性脊椎症のようなものから、歩行が困難になる病気まで、さまざまな種類があります。

これらは動物病院で検査をしなければ正確に判断できないため、愛犬が高齢になったら定期的に健康診断を受けることが大切です。早期に発見し、適切な治療を行うことで、愛犬への負担を最小限に抑え、より快適な生活をサポートできます。

気になる症状がある場合は、早めの受診が大切です。まずは当院までお気軽にご相談ください。

 

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