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犬と猫のアトピー性皮膚炎について|かゆみをコントロールして快適な生活を2024年03月22日

犬と猫のアトピー性皮膚炎は、飼い主様にとっても、愛犬、愛猫にとっても大きな負担となる病気です。この病気は、体質的な要因や環境中のアレルゲンに対する免疫系の過剰反応によって引き起こされ、皮膚に強いかゆみをもたらします。かゆみは日常生活に影響を及ぼし、時には飼い主様の心をも痛めることがあるかもしれません。

しかし、適切な知識と対策を持つことで、この病気と上手に付き合い、愛犬、愛猫の生活の質(QOL)を向上させることができます。

今回は犬と猫のアトピー性皮膚炎について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。

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■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因


アトピー性皮膚炎の原因には、遺伝的な要素が大きく関与していますが、それだけではなく、皮膚のバリア機能の低下や環境中のアレルゲンの存在などが関連していると考えられています。

遺伝的には、特定の犬種や猫種がアトピー性皮膚炎を発症しやすいことが知られており、例えば、犬ではフレンチ・ブルドッグ、パグ、シー・ズー、柴犬など、猫ではアビシニアン、ヒマラヤンアトピー性皮膚炎を発症しやすいとされています。
しかし、これらの犬種や猫種に限らず、どの犬や猫もアトピー性皮膚炎を発症する可能性があります

環境アレルゲンとしては、ハウスダストやダニ、花粉などがあります。これらのアレルゲンとの接触で、動物の免疫系が過剰に反応することで、皮膚に炎症とかゆみを引き起こします。
また、生活環境や季節によってアレルゲンの種類や量が変わるため、症状の出方にも変化が見られます。

これらの要因は、相互に影響し合いながら、アトピー性皮膚炎の発症や症状の悪化につながっていると考えられています。

症状


アトピー性皮膚炎の主な症状は、皮膚の強いかゆみです。
かゆみは絶えず皮膚を舐めたり、掻いたり、噛んだりする行動につながり、特に、お腹、顔、目の周囲、手足の指の間、脇の下など、体の特定の部位に症状が現れやすい傾向があります。

症状は皮膚の赤みや腫れ、出血や脱毛、皮膚のびらんや潰瘍を伴うことがあります。症状の重さや現れる場所は、犬や猫によって異なり、また季節や生活環境の変化によっても変動し、湿度が高い季節やアレルゲンが多い時期には、症状が悪化することが多いです。

また、皮膚のバリア機能の低下により、細菌やカビの感染を併発することがあり、かゆみをさらに悪化させます。

診断方法


診断は、他の皮膚疾患を除外することから始めます。
症状が似ている、膿皮症、皮膚糸状菌症(白癬など)、食物アレルギー性皮膚炎、さらには行動学的な問題による掻き傷(分離不安などが原因で皮膚を掻きむしる状態)など、様々な疾患や状態を排除する必要があります。

これらの除外診断に加え、血液検査を通じて特定のアレルゲンに対するIgE抗体のレベルを測定するアレルゲン特異的IgE検査や、皮内検査や皮膚パッチテスト、など総合的に評価して、アトピー性皮膚炎の診断を下します。

治療方法


治療は、かゆみのコントロールと二次感染の管理に焦点を当てます。

1. アレルゲン回避
原因となるアレルゲンがアレルゲン検査によって明らかになった場合、そのアレルゲンとの接触を避けることが最優先事項となります。
例えば、定期的な室内の清掃、空気清浄機の使用、寝床をこまめに清掃、季節に応じた花粉やダニ対策、散歩中は洋服を着せるなどの対策が有効です。

また、特定の食品に対するアレルギーが疑われる場合、除去食試験を行い、アレルギー反応を引き起こす可能性のある食材を特定し、食事から排除します。

2. 薬物療法
アトピー性皮膚炎が引き起こす激しいかゆみを管理するためには、ステロイド薬、免疫抑制剤、かゆみ物質の伝達をストップする薬を複合的に使用することがあります。

3. 二次感染の治療
アトピー性皮膚炎によって皮膚のバリア機能が低下すると、細菌や真菌(マラセチアなど)の感染が起こりやすくなります
これらの感染症に対しては、抗菌薬や抗真菌薬の投与、特別なシャンプーを使った皮膚の洗浄などが行われます。

アトピー性皮膚炎の治療は、病気の進行や反応に応じて柔軟に対応する必要があります。治療法の選択や調整にあたっては、動物病院での定期的な治療が重要となります。

予防法やご家庭での注意点


アトピー性皮膚炎を完全に予防することは難しいものの、環境を清潔に保ち、アレルゲンへの接触を最小限に抑えることで、症状の発症や悪化を防ぐことが可能です。
定期的な掃除、空気清浄機の使用、シャンプーを定期的に行うことが推奨されます。

まとめ


犬と猫のアトピー性皮膚炎は、完治が難しい病気ですが、適切な管理と治療によって、愛犬や愛猫の生活の質を大きく改善することが可能です。

飼い主様が正しい知識を持ち、症状に注意を払い、必要に応じて動物病院を受診することで、アトピー性皮膚炎と上手に付き合い、愛犬、愛猫が快適な生活を送れるようになります。

 

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