リアンアニマルクリニック

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愛犬を守る!飼い主様が知っておくべき危険な食べ物2024年04月11日

犬は私たちの家族の大切な一員ですが、食事には特別な注意が必要です。人間にとって安全な食べものが、犬にとっては有害、または致命的であることが知られています。

この記事では、犬にとって危険な食べ物とその理由について詳しく説明し、愛犬を守るための知識をご紹介します。

■目次
1.犬が食べていけないもの<野菜・果物>
2.犬が食べていけないもの<魚介類>
3.犬が食べていけないもの<動物性食品>
4.犬が食べていけないもの<その他>
5.中毒症状が現れるまでにかかる時間
6.食べてしまったとき対処法
7.まとめ

犬が食べていけないもの<野菜・果物>


ねぎ類(玉ねぎ、ニンニクなど)
長ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなどのネギ類を食べてしまうと、その中に含まれる有機化合物が赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こす可能性があります。
この状態では、呼吸困難、血色素尿、黄疸、貧血などの症状が現れることがあります。
加熱や乾燥などの加工をしても毒性はなくならないため、ネギ類は与えないようにしてください。ネギが入っている煮汁などでも中毒症状を引き起こすため注意しましょう。

ブドウ、レーズン
ぶどうやレーズンを食べると嘔吐、下痢、食欲不振、腹痛などの症状が現れ、その後、急性腎障害を引き起こし、最悪の場合には死に至る可能性もあります。

アボカド
アボカドに含まれるペルシンという成分が原因で、嘔吐や下痢、呼吸困難などの中毒症状を引き起こすことがあります。また、脂質を多く含むため、膵炎を発症するリスクもあります。

柑橘類
柑橘類は、消化に悪い薄皮やすじを取り除いた実だけを与えるのであれば、問題ありません。ただし、熟していない柑橘類に含まれる成分「アルカロイド」により中毒症状に繋がることもあるので、与える際は熟した柑橘類を選んでください
また、外皮にはワックスが塗られていることもあり、犬が舐めることがないよう保管場所にも注意が必要です。

ナッツ類
ピーナッツやマカデミアナッツなどのナッツ類を食べた場合は、嘔吐や腹痛、下痢といった消化器症状や、ふらつきや運動失調といった神経症状、さらに発熱などが現れます。

銀杏
銀杏に含まれる「ギンコトキシン(メチルピリドキシン)」は、神経毒の一種です。中毒の発生量には個体差があり、1粒を食べただけで呼吸困難などの重篤な症状が出る犬もいます。
銀杏の独特なにおいが犬の興味を引くこともあるため、特に銀杏の実が落ちる秋季には、イチョウの木のある場所を散歩コースから外した方がよいでしょう。また、散歩中の犬が銀杏を拾い食いしないように注意しましょう。

ホウレン草
ホウレン草はビタミンBやβカロテン、鉄分など様々な栄養を含む健康的な食材ですが、シュウ酸も多く含まれています。このシュウ酸が原因で、シュウ酸カルシウム尿石症のリスクが高まります。ホウレン草を茹でることでシュウ酸の量は減りますが、大量に摂取すると依然として危険が伴います。
ホウレン草を与えた後には水をしっかりと飲ませて、排尿を促すことも大切です。

 

犬が食べていけないもの<魚介類>


魚介類
生のイカ、タコ、エビ、カニ、貝類などの魚介類を摂取することで、チアミン(ビタミンB1)欠乏症を引き起こすリスクがあります。チアミン欠乏症は、脳や神経系に障害を引き起こし、後ろ足の踏ん張りが効かなくなり、真っ直ぐに歩けない、ふらつきや運動失調、けいれん、視力障害などの症状を引き起こします。

 

犬が食べていけないもの<動物性食品>


牛乳
人間用の牛乳は栄養価が高い一方で、乳糖(ラクトース)を豊富に含んでいます。犬は乳糖を分解する酵素が少ないため、牛乳を摂取すると下痢や嘔吐などの消化器官に関する問題を引き起こす可能性があります。
さらに、牛乳はアレルギーや肥満の原因となることもありますので、動物専用のミルクを選ぶようにしましょう。

ハム、ソーセージ
ハムやソーセージなどの加工肉は、塩分や脂肪が多く、添加物も含まれています
これらは人間用に製造された食品であるため、犬が大量に摂取すると体に大きな負担がかかります。
少量であれば緊急を要する症状が出ることは少ないものの、積極的に与えることは避けましょう。

レバー
レバーは鉄分が豊富であると同時に、ビタミンAも多く含む食材です。ビタミンAは皮膚や粘膜の健康維持に必要な重要な成分ですが、過剰摂取は健康障害を引き起こす可能性があります。そのため、レバーを主食のトッピングとして与える程度にしましょう。
また、生の状態のレバーは、病原体による食中毒や寄生虫感染のリスクが非常に高いため、絶対に与えてはいけません。
与える際には、しっかり加熱処理を施し、傷みやすいので鮮度にも気を付けましょう。

鶏の骨
鶏の骨は栄養が豊富で成分的に問題はありませんが、折れた際に折れ口が鋭くなります。それを犬が食べてしまうと、内臓が傷つく可能性があり大変危険です。
さらに、犬は食べ物を丸飲みする習性があるため、大きな骨を飲み込んで喉に詰まらせるリスクもあります。
また、生の状態で与えた場合は、サルモネラ菌による食中毒の危険も考慮する必要があります。鶏の骨を与える場合は、犬用に加工された製品を選ぶことが重要です。

 

犬が食べていけないもの<その他>


チョコレート
チョコレートが犬に有害であることはよく知られています。
カカオに含まれる苦み成分のテオブロミンやカフェインが原因で、神経や心臓に異常をきたし、嘔吐や下痢、多飲多尿、興奮、頻脈、高体温などの症状を引き起こします。
状況がさらに悪化すると、痙攣、不整脈、呼吸困難、チアノーゼが生じ、最悪の場合は死に至るケースもあります。
犬がチョコレートを食べた直後に症状が出なくても、時間が経過すると中毒症状が現れる可能性があります。
カカオの含有量が多いチョコレートほどテオブロミンの量も多いので、高カカオのチョコレートでは、より注意が必要です。

カフェイン(お茶、コーヒー、エナジードリンク)
お茶などに含まれるカフェインにより、チョコレートを食べてしまった際と同様の中毒症状を引き起こす可能性があります。
特にインスタントコーヒーや乾燥茶葉など、カフェイン含有量が1gあたりで多い食品では、わずかな量でも犬に中毒症状を引き起こすリスクが高いため、特に注意が必要です。

キシリトール
キシリトールは、シュガーフリー製品に広く使用される人工甘味料ですが、犬にとっては極めて有害です。
キシリトール入りのキャンディーやガムを食べてしまうと、インスリンの過剰分泌を引き起こし、急激な低血糖状態に陥ります。
これにより、嘔吐、下痢、震え、肝臓障害、痙攣などの重篤な症状が現れ、最悪の場合、命にかかわることもあります。

アルコール、生のパン生地
アルコールを含む飲み物や食品、さらには発酵する生のパン生地を食べてしまうと、犬はアルコール中毒を引き起こす可能性があります。
犬はアルコールに含まれるエタノールを分解する酵素をもたないため、下痢、嘔吐、呼吸困難、昏睡などの中毒症状を引き起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。
症状が現れる摂取量は明らかになっていませんが、少し舐めたという程度でも中毒になる可能性もあります。
アルコール飲料だけでなく、ウエットティッシュや除菌スプレーなど、日常生活で使われるアルコール含有製品の取り扱いにも注意が必要です。
また、生のパン生地は胃内で膨張し、腸閉塞や胃捻転を引き起こす可能性があります。

観葉植物、花
観葉植物や花、球根には、犬にとって中毒を引き起こすものも存在します。
特にポトス、チューリップ、ドラセナ、アロエ、ユリ、モンステラなどの植物は注意が必要です。これらの中でもユリ科の植物は非常に危険で、わずかな量を摂取しただけでも犬にとって命にかかわることがあります。
これらの植物が家庭内や犬の散歩ルートにある場合は、特に注意する必要があります。

内服薬、外用薬
飼い主様の常用薬が犬にとっては危険な場合があります。
薬を落としてしまったり、テーブルに置いておいたりすることで、犬がそれを食べてしまう事故が散見されます。
人間用の薬は犬にとっては有害であり、時には命を脅かすこともあります。薬の誤飲は重大な健康問題を引き起こす可能性があるため、薬は犬の届かない場所に保管しましょう。

 

中毒症状が現れるまでにかかる時間


犬の中毒症状は通常、摂取後24時間以内に現れることがありますが、犬の体質や摂取した物質によっては、直後や数日後に症状が現れる場合もあります。

例えば、チョコレート、ココア、マカダミアナッツは、多くの場合6〜12時間以内に症状が出始めますが、早ければ1〜2時間以内に発症することもあります。
一方で、キシリトールやアルコールは非常に早く作用し、30分~1時間以内に症状が出ることが一般的です。
対照的に、ねぎ類やアボカドなどは発症までの時間が1~5日と長くなることがあります。

 

食べてしまったとき対処法


<自宅での対処法>

どれくらい食べたか確認する
犬の体重と摂取した量を正確に把握することは、中毒の症状が軽度か重度かを判断するうえで非常に重要です。
紹介した食べ物に限らず、他の食材でも過剰な摂取により中毒症状を引き起こす可能性があるため、気になる様子がある場合は、大量に食べたものがないか確認してみましょう。

また、犬が食べたものが何か、その破片や吐き戻したものがあれば、動物病院に持参していただくと、より迅速かつ正確な診断と治療が可能になります。

動物病院に相談する
犬が誤飲誤食をしてしまった場合、できるだけ早く動物病院に連絡し、獣医師からの指示を仰ぎましょう。
獣医師に伝えるべきことは、摂取した時刻、摂取したもの、どれくらいの量を食べてしまったかの3点です。
その際に、犬の様子で何か異常があれば、それも詳細に、正確に伝えると診察に役立ちます。
状況を言葉で説明するのが難しい場合は、犬の様子を動画や写真に撮って獣医師に見せると良いでしょう。これにより、獣医師は犬の状態をより正確に理解し、適切な治療を行うための判断材料とすることができます。

自己判断で吐かせようとしない
愛犬が何かを誤食したり、中毒症状に気付いたとき、「とにかく食べたものを吐かせよう」と考える飼い主様もいらっしゃると思います。
しかし、獣医師の判断なしに自宅で催吐処置を行うことはとても危険です。

無理に吐かせようとすることで、気管が詰まるなどして、命に危険を及ぼす可能性があります。
食べた物質や症状によっては、催吐処置をすることが逆に有害である場合もありますので、自己判断での催吐は絶対に避け、必ず獣医師の診察を受けましょう。


<動物病院で行われる処置>

催吐処置(さいとしょち)
吐き気を誘発する薬剤を投与して、誤飲したものを吐き出させる処置です。
誤食をしてから1〜2時間以内であれば、胃の中に毒素である成分が残っている可能性があるので、薬を使って吐き戻しをさせます。
しかし鋭利なものやサイズが大きく催吐するリスクが高い場合は催吐させることができません。

対症療法
誤食をしてから時間が経過しており、体内に毒素が回ってしまった場合は、毒素の濃度を薄めるために点滴治療を行うことがあります。
また、体内で毒素を吸着し、排出を助ける効果がある飲み薬を投与することもあります。

内視鏡による摘出
誤食した物が竹串のような鋭利な物体である場合、または催吐処置を試みても吐き出すことができない場合には、内視鏡による摘出手術が選択肢として挙げられます。
内視鏡を使用する場合は全身麻酔をかける必要があります。

胃洗浄
どろっとしたものを大量に食べてしまった場合や、人用医薬品などの液体や胃内で溶けてしまうものを誤飲した場合には胃洗浄が必要になることがあります。
ただし、これは胃に毒物が残っている場合に限り有効です。

開腹手術
腸閉塞を起こしている場合や、内視鏡による摘出が難しい場合などは開腹手術を行い、胃や腸を切開して異物を直接除去します。開腹手術の際には全身麻酔をかける必要があります。

 

まとめ


犬にとって食べてはいけない物について理解をし、事故が起こらないように対策をすることが大切です。もし愛犬が危険な食べ物を口にした場合は、自己判断せず、すぐに獣医師に相談しましょう
そして一番大切なのは、犬が届くところに食べ物を置かないことです。愛犬との生活を守るためにも、食べ物の管理には特に注意を払いましょう。

 

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