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ウサギの食滞について┃便の状態が普段と異なる場合はすぐに受診を!2024年04月21日

ウサギの食滞は、最も一般的な病気のひとつだと言えます。
特に初心者の飼い主様にとっては、ウサギを亡くしてしまう原因のトップに挙げられます。そのため、飼い主様は常にウサギの食滞に注意を払い、予防や早期発見に努める必要があります。

今回はウサギの食滞について原因や症状、治療方法などを詳しくお伝えします。

■目次
1.食滞とは?
2.原因
3.症状
4.診断と治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

食滞とは?


草食動物であるウサギは常に食餌を摂る必要があり、消化管(胃や腸)がとても発達している反面、消化管の病気が頻繁に起こります特に多いのが食滞(しょくたい)です。
食滞とは「胃腸うっ滞」などとも呼ばれ、消化管の機能低下によって正常な消化や吸収が阻害され、食べたものが適切に処理されずに体内に留まってしまうことを意味します。この問題はウサギの消化器疾患症候群(RGIS)として知られており、さまざまな原因が複雑に絡み合って発生します。

 

原因


ウサギの食滞の原因は多岐にわたります。飼育環境や管理不足から生じる場合が多いのですが、具体的には次のような要因が挙げられます。

不適切な餌や床材等の誤食
消化に適さない物質の摂取は、消化管内の細菌バランスを崩し、ガスの異常発生や消化不良を引き起こします。

水分不足やストレス
ウサギが十分な水を摂取していない、またはストレスを受けている状態も、消化に悪影響を及ぼし食滞を引き起こす原因になります。

怪我や病気、歯のトラブル
これらによる食欲の低下が直接的に食滞を引き起こすことがあります。特に歯の問題は食事の摂取を困難にし、結果として食滞を招くことがあります。

内臓の病気や腫瘍
肝臓や膵臓などの内臓疾患、または腫瘍の発生も、消化系統の機能不全につながり食滞の原因となります。

肥満や加齢、骨や筋肉の疾患
これらの状態は、ウサギが身体を丸めて自らの盲腸便を摂取することを困難にし、食滞を引き起こす可能性があります。盲腸便の摂取は、ウサギにとって重要な栄養摂取方法の一つです。

適切な餌や飼育環境の整備、定期的な健康チェックを行うことが、食滞を防ぐ上で重要です。これらの原因を理解し、予防策を講じてウサギの健康を守りましょう。

 

症状


食滞になると、便の状態に変化が見られることが多く、これは飼い主様が注意深く観察する必要があるサインの一つです。
全く便が出なくなればわかりやすいのですが、便が通常より小さい、形がいびつな状態便の色が変わる、粘液が混じるなどの状態も異常を疑う必要があります。
普段飼い主様が見ることのない盲腸便(艶やかでチョコレート色の小粒の便が見られることも、注意が必要な状態です。

食滞が進むと、食欲の低下や完全な食欲不振に陥ることがあります。ウサギがうずくまって動かない、お腹が張っている、痛みによって歯ぎしりをするような行動はウサギが深刻な不調を抱えていることを示しているため、すぐに獣医師の診察を受けることが重要です。

 

診断と治療方法


ウサギの状態や便を確認し、レントゲンやエコーなどの画像診断や血液検査を実施して全体的な病態を把握します。これにより、消化管の問題の有無やその他の健康問題が明らかになります。

治療の目的は、低下した消化管の機能を回復させることにあります。
点滴による水分補給、胃腸を動かす薬、食欲を刺激する薬、抗生剤や痛み止めの投与などを組み合わせます。

食欲が戻らない場合は、ふやかしたペレットや専用の粉状のフードを水で溶いた流動食を、シリンジを使って強制給餌をすることがあります。この際、給餌量やフードの柔らかさは、ウサギの腹部の状態や消化能力に応じて調整されます。

治療の成功は、問題の早期発見と治療開始にかかっています。ウサギにおける食滞のような消化系の問題は、進行すると重篤な状態になる可能性があるため、少しの異変でもすぐに病院を受診することがポイントだと言えます。

 

予防法やご家庭での注意点


ウサギの健康を守るためには、繊維質が豊富な食事、適切な水分摂取、定期的な運動、ストレスの軽減、そして特定の期間における追加のケアが必要です。
具体的には下記のような対策が有効です

繊維質を多めに含む食事
牧草はウサギの消化器系を健康に保つために不可欠で、消化器の動きを促進します。牧草を常に利用できるようにして、ウサギが1日中食べられるようにしましょう。

水分摂取
ウサギがいつでも新鮮な水を自由に飲めるようにしましょう。十分な水分摂取は消化を助け、食滞のリスクを減らします。

定期的な運動
ウサギに適度な運動をさせることで、消化管の動きが促され、健康的な消化を維持できます。

ストレスの軽減
快適で安全な環境を提供し、ストレスが溜まらないように心がけてください。ストレスは消化器系の問題を引き起こす主要な原因の一つです。

定期的なブラッシング
特に長毛種や換毛期のウサギには、こまめにブラッシングをして、毛づくろいによる毛の摂取を減らし、毛球症のリスクを低減させましょう。

ウサギの胃は常に何かを消化している状態にありますので、食欲がない、便のサイズや量が通常と異なる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

 

まとめ


今回の記事ではウサギの食滞についてお伝えしました。食滞を予防するためには、適切な食べ物と十分な水が重要です。特に、牧草中心の食事を心がけ、常に新鮮な水をいつでも飲める環境を作りましょう。
また、便の数、大きさ、色などを毎日観察し、少しでも普段と違ったらすぐに動物病院を受診することも大切です。

 

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