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犬と猫の乳腺腫瘍について|腹部にしこりがある?!避妊手術で予防2024年05月10日

乳腺腫瘍とは乳腺組織に生じる腫瘍で、中高齢の犬や猫で多く見られます。
犬の場合は約50%が悪性で、猫では80%から90%が悪性であると報告されています。
もし腫瘍が良性であれば健康には大きな影響はありませんが、悪性の場合は病気の進行が早く、他の臓器やリンパ節への転移を起こしやすいため、早期発見・早期治療がとても大切です。

今回は、犬と猫の乳腺腫瘍の原因や症状、治療法、などについて解説します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因


乳腺腫瘍の発生には、主に性ホルモンであるエストロゲンが関与しています。
エストロゲンは、乳腺細胞の増殖を促進させることが知られており、これが腫瘍化につながることがあります。初回発情前に避妊手術を行うことで、ホルモンの影響を大きく減少させ、乳腺腫瘍の発生リスクを顕著に下げることが可能です。

 

症状


乳腺腫瘍の最も一般的な症状は、乳腺にしこりができることです。しこりは一つだけの場合もありますが、複数のしこりが胸部や腋窩(脇の下付近)、下腹部から内股の乳腺にわたって見られることもあります。

特に悪性腫瘍の場合は腫瘍が増殖しやすく、肺や肝臓への転移を引き起こすことがあります。
また、腫瘍が肌表面に達すると自壊して出血や壊死を引き起こすこともあり、これが痛みや違和感の原因となります。

 

診断方法


乳腺のしこりを見つけた場合、まずは視診や触診を行い、しこりの硬さや大きさ、増殖の具合を評価します。
次に細胞診検査を行い、細い針でしこりの細胞を採取して顕微鏡で調べます。この検査で腫瘍の可能性が高いと判断されれば、レントゲン検査超音波検査で、転移の有無や腫瘍の範囲を確認します。

 

治療方法


乳腺腫瘍の治療法は、腫瘍の種類や進行状況によって異なりますが、基本となるのは外科手術による腫瘍の切除です。手術の際は、腫瘍の大きさやその位置に応じて、影響を受けた乳腺の一部または全部を取り除くことが一般的です。

特に未避妊の場合は、再発や子宮や卵巣の疾患を予防するために、乳腺腫瘍の手術を行うタイミングで避妊手術も同時に実施する場合もあります。

 

予防法やご家庭での注意点


乳腺腫瘍の予防には、避妊手術が最も効果的な方法です。特に、繁殖の予定がない犬や猫に対しては、初回発情前(生後半年から1歳未満)に避妊手術を行うことが推奨されます。

犬の場合、未避妊の状態では約20〜30%が乳腺腫瘍を発症するリスクがありますが、避妊手術を行うことでそのリスクは0.5%〜1%まで低下します。
また猫においても、1歳未満で避妊手術を行った場合、乳腺腫瘍のリスクを約80〜90%削減することが可能です。

さらに日常のケアとして、飼い主様には愛犬や愛猫の腹部を定期的に触ることをお勧めします。これにより、しこりや異常を早期に発見し、速やかに治療を開始することができます。

 

まとめ


乳腺腫瘍は中高齢の犬や猫に多く発生し、治療が遅れると全身に転移してしまう場合もあります。また炎症性乳癌 (極めて悪性度の高い乳腺腫瘍)は極めて予後が悪いため、早期発見と予防が鍵となります。
避妊手術を通じてホルモンの影響を減らし、定期的な健康診断で乳腺のチェックを行うことが大切です。

万一の発症時には早期に獣医師と相談し、適切な治療を受けることが愛犬・愛猫の健康を守るためには重要です。

■腫瘍に関連する病気はこちらで解説しています。
リンパ腫について|老犬に多い腫瘍の病気


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