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猫の糖尿病の基礎知識|診断から治療までわかりやすく解説2025年03月16日

中高齢の猫では、さまざまな病気にかかるリスクが高まりますが、その中でも飼い主様を悩ませる病気の一つが糖尿病です。
この病気は肥満気味の猫に多く見られ、進行すると後ろ足の麻痺や脱水など、深刻な症状を引き起こす危険性があるため、早期診断・早期治療がとても重要です。

 

糖尿病の治療では、これまで飼い主様がご家庭でインスリン注射を行う必要があり、治療の負担が大きいとされていました。
しかし、最近では飲み薬による治療が選択肢として登場しており、治療法が少しずつ変化しています。

今回は、猫の糖尿病について、基礎知識から診断方法、治療法などを解説します。

■目次
1.猫の糖尿病の基礎知識
2.主な症状と早期発見のポイント
3.診断方法
4.治療方法
5.日常生活での管理|予防と日常のケア
6.まとめ

 

猫の糖尿病の基礎知識


猫の糖尿病は中高齢(7歳以上)で発症しやすい病気です。主な原因としては以下のようなものが挙げられます。

・肥満
・運動不足
・遺伝的要因

猫の糖尿病は人の2型糖尿病と似た性質を持っていて、インスリンを作ることはできるものの、インスリン抵抗性が強いため治療が難しいという特徴があります。

 

主な症状と早期発見のポイント


猫の糖尿病では、以下のような症状が見られることがあります。

 

多飲多尿
水をたくさん飲み、尿の量も増えるのが特徴です。

食欲の変化
初期には食欲が増加しますが、病気が進行すると食欲が減少します。

体重の減少
食欲があるにもかかわらず、体重が減るのが大きな特徴です。

活動量の低下
徐々に動きが鈍くなり、活動量が減っていきます。

その他の症状
下痢や嘔吐などの消化器症状や、後ろ足の動きが鈍くなることもあります。

猫の糖尿病の主な症状を示すイラスト。中央には肥満気味の茶トラ猫。周囲に『食欲が増加』のキャットフード、『嘔吐などの消化器症状』の吐いている猫、『多飲多尿』の水飲み場と猫、『体重が減る』の体重計、『活動量の低下』の寝ている猫のイラストが配置されている。

この中で特に見逃しやすい初期症状は、食欲の変化です。糖尿病の初期段階では、たくさん食べるようになることが多く、一見すると元気そうに見えることがあります。
ただし、食欲があっても体重が減っていたり、多飲多尿などの症状を伴っていたりする場合は糖尿病の可能性があるため、注意が必要です。

 

診断方法


猫の糖尿病を診断するには、血液中や尿中の糖の量を測定し、それが増えていないかを確認する必要があります。そのため、動物病院では主に以下の検査を実施します。

血液検査:血液中の血糖値を測定し、異常な値がないか確認します。
尿検査:尿中に糖が含まれているかを調べます。尿中の糖が検出される場合は、糖尿病の可能性が高まります。

これらの検査に加えて、必要に応じて追加の検査を行うこともあります。

 

治療方法


猫の糖尿病の治療には、インスリン注射飲み薬の2つの方法があります。

 

<インスリン注射による治療>
血糖値をコントロールするために、1日2回インスリンを注射する必要があります。これは、以前から行われている一般的な治療方法ですが、飼い主様にとって負担が大きい場合もあります。特に、猫が注射を嫌がるケースでは、治療に時間がかかることもあります。

また、インスリンの量は血糖値を確認しながら、細かく調整する必要があります。

 

<飲み薬による治療>
飲み薬による治療は、最近登場した新しい方法です。猫の糖尿病治療に使われる「センベルゴ」という薬は、血液中の糖の一部を尿中に排泄させることで血糖値を抑える仕組みです。
センベルゴは、初回の投与から1週間以内に多くの猫で血糖値を安定させる効果が確認されています。

 

投与方法は非常に簡単で、1日1回、直接猫のお口に与えるか、少量のフードに混ぜるだけです。インスリン注射のような手間がかからないため、飼い主様の負担が軽減される点が大きな魅力です。
さらに、定期的に血糖値を測定する頻度も減らすことができ、治療を続けやすい方法と言えます。

ただし、すべての猫に効果があるわけではありません。薬が体質に合わない場合や、下痢などの副作用が見られることもあります。

猫を抱える女性のイラスト。左側には注射器のアイコン、右側にはカラフルな錠剤やカプセルのアイコンが描かれており、医療や治療に関連することを示している。

 

日常生活での管理|予防と日常のケア


猫の糖尿病を予防し、健康を維持するためには、食事管理運動管理が特に重要です。さらに、ストレスを減らす工夫や定期的な健康チェックも欠かせません。

 

<食事管理>
食事管理については、年齢や生活環境に合った総合栄養食を選ぶことが基本です。バランスのとれたフードを既定の量だけ与えるように心がけ、おやつを与えすぎないように注意しましょう。
また、たくさんのフードを1回で与えるよりも、少量を3〜4回に分けて与える方が、血糖値の上昇を緩やかに抑えられます。

さらに、肥満が気になる場合は減量用のフードに切り替えることも選択肢の一つです。ただし、急に痩せさせようとすると脂肪肝になる危険性があるため、まずは獣医師に相談し、徐々に進めるようにしましょう。

 

<運動管理>
適度な運動は肥満防止や健康維持に欠かせません。
キャットタワーやトンネルなど、室内で猫が運動できる設備を整えることで日常的に活動量を確保できます。遊びを取り入れることで、愛猫が楽しく運動できる環境を作ってあげましょう。

 

<ストレスを減らす工夫>
ストレスをできるだけ少なくすることも大切です。
猫は環境の変化に敏感な動物なので、トイレの種類や砂の材質、爪とぎ用のボードなどを愛猫の好みに合わせて選び、快適な環境を整えましょう。
静かで落ち着けるスペースを用意してあげることも、ストレス軽減につながります。

 

<定期的な健康診断>
定期的な健康診断も忘れてはいけません。糖尿病は初期にはわかりにくい病気で、気づかないうちに進行してしまう危険性があります。
また、中高齢になると糖尿病以外にもさまざまな病気にかかるリスクが高まるため、少なくとも1年に1回、可能であれば半年に1回は血液検査や尿検査などを受けて、愛猫の健康状態をチェックしましょう。早期発見と早期治療が病気の進行を防ぐカギとなります。

健康診断の重要性についてはこちらから

 

当院では、糖尿病などのお薬でコントロールが必要な病気だけでなく、手術が必要な病気にも対応しております。飼い主様と猫ちゃんに安心して通っていただける体制を整えておりますので、不安や疑問がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

まとめ


猫の糖尿病は、長期的な治療が必要な病気です。
食欲が旺盛だと病気とは思えないかもしれませんが、実は糖尿病が隠れていることもあります。早期診断・早期治療につなげるためにも、少しでも気になる症状があれば、早めに動物病院を受診しましょう。

また、最近ではインスリン注射だけでなく、飲み薬による治療も選択肢として可能になっています。現在インスリン注射を使用している場合でも、愛猫の状態によっては飲み薬に変更できる可能性があります。
治療方法について気になることや不安がありましたら、どうぞお気軽に当院の獣医師までご相談ください。

 

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<参考文献>
Niessen, S. J. M. et al. (2022) Once daily oral therapy for feline diabetes mellitus: evaluation of SGLT-2 inhibitor velagliflozin as stand-alone therapy compared to insulin injection therapy in diabetic cats. Journal of Veterinary Internal Medicine 36, 2512–2513.

Sparkes, A. H. et al. (2015) ISFM Consensus Guidelines on the Practical Management of Diabetes Mellitus in Cats. J Feline Med Surg 17, 235–50.

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