犬・猫の涙やけや目やにが気になるときは?受診の目安やご家庭でのケアを解説2026年10月11日
「目の下の毛が、いつの間にか茶色くなっている」
「朝起きると、目のふちに目やにがついている日が増えた」
犬や猫と暮らしていると、目の周りのこうした変化に気づくことがあります。
涙やけや目やには比較的よくみられるため、「もともとの体質かな」「年齢のせいかな」と考え、そのまま様子を見ている飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、涙が増える背景に目の病気が隠れている場合もあり、痛みや違和感から目をこすったり、症状によっては見え方に影響したりすることもあります。
そのため、涙やけや目やには単に見た目の問題として捉えるのではなく、愛犬・愛猫が目に不快感を抱えていないかという視点で確認することが大切です。
今回は、犬や猫の涙やけ・目やにが起こる理由と、ご家庭でできるケア、受診を考えたい目安について解説します。

■目次
1.涙やけ・目やにが起きているとき、目では何が起きているのか
2.涙やけ・目やにが起こる主な原因
3.目やにの色や状態から考えられること
4.早めに受診したい目のサイン
5.ご家庭でできるケア
6.動物病院でできること|検査と治療の考え方
7.まとめ|「見た目が気になる」からの相談で構いません
涙やけ・目やにが起きているとき、目では何が起きているのか
涙は、目の表面をうるおし、ほこりや異物を洗い流しています。目頭の小さな穴から鼻涙管(びるいかん)という細い管を通って鼻へ流れるため、通常は多くの涙が目の外へあふれることはありません。
ところが、涙の量が増えすぎたり、鼻涙管の通りが悪くなったりすると、涙が目からあふれて周囲の毛を濡らします。こうした状態が続き、目の周りの毛が赤茶色に変色した状態が、一般的に涙やけと呼ばれます。赤茶色の着色には、涙に含まれるポルフィリンなどの成分が関係しています。
一方の目やには、目の表面から出た分泌物に、はがれた細胞やほこりが混ざって固まったものです。少量で、ほかに目の異常がなければ、生理的な範囲の場合もあります。しかし、量や色、粘り気が変わってきたときは、目に炎症などの異常が起きているサインになることがあります。
顔の構造上、涙があふれやすい犬種・猫種があるのは確かです。ただし、もともと少なかった犬や猫で急に目立ってきた場合や、片方の目だけ症状が強い場合は、体質だけでは説明がつきません。これまでと比べてどう変わったかを観察するようにしましょう。
涙やけ・目やにが起こる主な原因
涙やけや目やにが起こる代表的な原因をみていきましょう。
<涙の量の変化>
目に刺激が加わると、体は涙を増やして目を守ろうとします。まつげが目に当たる逆さまつげや異所性睫毛、まぶたの縁が内側へ巻き込む眼瞼内反、シャンプーや被毛の刺激、アレルギーに伴う結膜の炎症、結膜炎、角膜の傷などが、そのきっかけです。
一方で、犬では涙の量が少なくなる「乾性角結膜炎(ドライアイ)」でも、目の表面が乾燥して炎症が起こり、粘り気のある目やにが増えることがあります。
<涙がうまく流れていかない>
鼻涙管が生まれつき細い、炎症で狭くなっている、涙の入り口である涙点が塞がっているといった状態では、涙の逃げ道がなくなります。鼻の短い犬種・猫種では、顔の構造上もともと涙が流れにくい傾向があります。
<猫では感染症が背景にあることも>
猫では、猫ヘルペスウイルスやクラミジア、マイコプラズマなどによる結膜炎によって、目やにが続くことがあります。なかでも猫ヘルペスウイルスは、一度感染すると体内に潜伏し、体調不良やストレスなどをきっかけに再び症状が表れることがあります。
目やにだけでなく、くしゃみや鼻水などの症状が一緒にみられるときは、目だけの問題ではなく、感染症を含めて確認することが大切です。
目やにの色や状態から考えられること
目やには、色や量、粘り気などに変化が表れることがあります。
・透明〜白っぽく、さらっとしている:比較的軽い刺激やほこりなどでみられることがあります
・黄色〜緑色でねばりがある:炎症が起きており、細菌感染などを伴っている可能性があります
・赤茶色〜黒っぽい:涙の着色成分や乾いた分泌物、汚れが関与していることがあります
・血が混じっている:外傷や重い炎症などが疑われ、早めの受診が勧められます
ただし、見た目だけで原因は特定できません。量が急に増えた、片目だけ続いている、目を気にするしぐさを伴うといった変化があれば、一度動物病院で診てもらうようにしましょう。
早めに受診したい目のサイン

次のような様子がみられるときは、目に病気や炎症などの異常が起きている可能性があります。
・目を細める、しょぼしょぼさせる、開けにくそうにしている
・前足で目をこする、床や家具に顔をこすりつける
・白目の部分が充血している、まぶたが腫れている
・黒目が白や青っぽく濁ってみえる、いつもと色が違う
・目やにの量が急に増えた、片方の目だけ症状が強い
・涙やけが短期間で急に広がってきた
「外傷や異物、シャンプーや薬品が目に入った可能性がある」場合に加え、「目を開けられないほど痛がる」「充血が強い」「急に見えづらそうにする」「角膜が白や青っぽく濁る」といった場合は、緑内障や角膜の重い異常など、緊急性の高い病気が隠れていることがあります。特に緑内障は短時間で視力に影響するおそれがあるため、できるだけ早く受診してください。
また、瞳の奥が白く感じられる場合には、白内障などとの見分けが必要になることもあります。
ご家庭でできるケア
毎日のちょっとしたお手入れで目の周りを清潔に保つことは、皮膚への刺激を減らし、トラブルに早く気づくことにもつながります。涙や目やにが気になるときは、愛犬・愛猫が嫌がらない範囲で次のようなケアを取り入れてみましょう。
◆目の周りをこまめに拭く
ぬるま湯で湿らせたやわらかいコットンやガーゼで、目の周りを軽く押さえるように拭きます。固まった目やにを無理に引っ張ると皮膚を傷めますので、ふやかしてから取り除きましょう。
◆目に毛や刺激が当たらないようにする
目の周りの毛が刺激になっている場合は、短く整えることで涙があふれにくくなることがあります。シャンプーやスプレーが目に入らないよう気をつけることも大切です。
◆症状の変化を記録しておく
いつから、どちらの目に、どのような変化が出ているかをメモや写真で残しておくと、診察のときに役立ちます。目を気にするしぐさは診察室ではみせないことも多いため、動画があると状況が伝わります。
なお、市販の目薬や涙やけ用のケア用品を自己判断で使うことはおすすめできません。角膜に傷がある状態で合わないものを使うと、かえって悪化させてしまうおそれがあります。使う前に一度ご相談ください。
アレルギーや皮膚の状態が背景にあるときは、体全体のかゆみもあわせて確認する必要があります。
動物病院でできること|検査と治療の考え方
診察ではまず、いつから、どちらの目に、どのような変化が出ているのかを伺い、まぶたやまつげの状態、涙の量、目の表面に傷がないかを順に確認していきます。
必要に応じて、涙の分泌量を調べる検査、目の表面の傷を色素で染めて確認する検査、眼圧の測定などを組み合わせます。どの検査を行うかは、症状や年齢、これまでの経過によって変わります。
治療の内容も原因によって異なります。炎症や感染が関わっている場合は、原因や目の状態に応じて点眼薬や内服薬などを用います。まつげやまぶたの構造が刺激になっている場合は、状態に応じて外科処置も検討します。鼻涙管の通りが悪いときは、洗浄で改善がみられることもあります。
リアンアニマルクリニックでは、普段の診療でも全身の状態を確認しながら、お顔や目の周りの様子も確認しています。診察の際に「最近、目やにが増えた気がする」「少し涙が多いかもしれない」といった、ちょっとした気がかりなこともお気軽にご相談ください。
まとめ|「見た目が気になる」からの相談で構いません
犬や猫の涙やけや目やには、日常的にみられるだけに見過ごされやすい変化です。しかし、原因によっては、目の痛みや違和感が続いたり、角膜や視力に影響したりすることがあるため、いつもと違う変化に気づいたらお早めにご相談ください。
きっかけは「目の周りの汚れが気になる」で構いません。目を痛がる、片目だけ症状が強い、量が急に増えたといった変化があれば、早期に状態を確認することで、目の痛みや違和感が長引くのを防げる場合があります。
リアンアニマルクリニックでは、目の様子を丁寧に確認しながら、その子に合った対応をご提案しています。
当院では、余裕を持って落ち着いた診療を行うとともに、飼い主様と愛犬・愛猫の待ち時間や負担にも配慮し、ご予約優先で診療を行っています。愛犬・愛猫の目のことで気になる点がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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