老犬に多い膵臓の病気、糖尿病について|放っておくと命に関わることも2023年11月20日
高齢期の犬で気をつけなければならない病気の一つとして、糖尿病が挙げられます。糖尿病とは、インスリンという膵臓から分泌されるホルモンの不足や作用低下が原因で、血糖値を下げる機能が損なわれ、高血糖が持続し、尿中に糖が排泄される(尿糖)病気です。
人間では生活習慣病の一つとして知られていますが、犬では特に中高齢から高齢期に発症することが多いといわれています。放置すると命に関わるため、早期に発見して適切な治療を行うことが重要です。
今回は、老犬に多い糖尿病について、原因や症状、治療方法などについてご紹介します。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法や飼い主が気をつけるべき点
原因
血糖値を下げるためには、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンが重要な役割を果たしています。糖尿病は、このインスリンの量が減る、またはインスリンが効きにくい状態になる(インスリン抵抗性が高くなる)ことが原因で発症します。
犬の糖尿病は、膵臓からのインスリン分泌機能が損なわれた「インスリン依存性糖尿病」であることが多く、治療にはインスリン療法が必須です。
犬の糖尿病の原因は、はっきりわかっていませんが遺伝的要因や肥満、膵炎、ステロイドなどの薬物の長期投与が主な原因と考えられています。
また、他の病気が原因で二次的に糖尿病が発生することもあります。
症状
糖尿病の代表的な症状は以下の通りです。
・食欲増加
・体重減少
・飲水量や尿量の増加
初期の糖尿病では、元気いっぱいでご飯もよく食べるため、病気だとは気付かれにくいかもしれません。しかし、たくさん食べているのに体重が減る場合や、水を飲む量が異常に多い場合は、糖尿病を疑う必要があります。
診断方法
糖尿病の診断には、血液検査と尿検査を行います。血糖値が著しく高く、尿中に糖が出ている場合に糖尿病と診断されます。
治療方法
犬の糖尿病は、インスリン依存性糖尿病であることがほとんどのため、治療には、毎日のインスリン治療が必要です。血糖値をモニタリングしながら、一日1〜2回のインスリン投与を行うことが一般的です。
また、食事療法も併用されます。繊維質の多い食事を与えることで、血糖値の急激な上昇を抑えます。
メスでは、発情期にインスリン抵抗性が高まるため、不妊手術の実施を検討します。
副腎皮質機能亢進症や慢性膵炎など、他の病気の合併症として糖尿病を発症している場合、原因となっている病気の治療も同時に行うことが重要です。
さらに、糖尿病は糖代謝が原因で白内障を続発してしまうことが多くあります。糖尿病に続発する白内障は一度発症してしまうと治療が困難なため、白内障になる前にコントロールをして、発症のリスクを下げることが大切です。
予防法や飼い主が気をつけるべき点
糖尿病を完全に予防することは難しいですが、適切な食事管理と運動を心がけ、肥満を防止することが重要です。
また、糖尿病は合併症を誘発しやすいため、日頃より愛犬の様子をよく観察し、体重が減ったり、飲水量が増えたりなどの変化がある場合は、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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