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犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)について|小型犬に多く見られる病気2024年02月01日

犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)は、犬の膝のお皿である膝蓋骨が正常な位置から外れる病気です。
膝蓋骨の脱臼を何度も繰り返すと、関節炎を発症して次第に痛みが強くなり日常生活に支障をきたすため、早期に正しい治療を行うことが大切です。

今回は犬のパテラ(膝蓋骨脱臼)について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因


膝蓋骨は大腿骨の正面にある「滑車溝」と呼ばれる溝の中に収まっており、この溝を上下に移動します。遺伝的にこの溝の深さが浅い場合、わずかな動きで膝蓋骨が脱臼してしまうことがあります。
また、膝蓋骨脱臼は主に内方脱臼外方脱臼の2種類に分類され、内方脱臼の方が一般的で、外方脱臼は稀に見られます。

内方脱臼の好発犬種はトイ・プードル、チワワ、ヨークシャー・テリア、ポメラニアン、ミニチュア・シュナウザー、パピヨンなどの小型犬です。
外方脱臼の好発犬種はセントバーナードやゴールデン・レトリバーなどの大型犬、小型犬ではミニチュア・ダックスフンドが多いと言われています。

また、上記の遺伝的な要因や犬種特有の理由以外にも、肥満や成長ホルモンの分泌障害が原因で骨や筋肉が正常に形成されない場合や、高い場所からの落下や突然走り出すなどの強い力が加わることで、膝蓋骨が脱臼することがあります。

 

症状


最も一般的な症状は、片足で跳ねるような動き(ケンケン歩き)をすることです。これは膝蓋骨が脱臼し、不快感や痛みを感じているために起こります。
その他の症状には、以下のようなものがあります。

・膝関節の腫れや炎症
・膝を動かす際の痛みや不快感
・慢性的な関節痛や関節の変形

これらの症状は、膝蓋骨脱臼の程度によって異なり、重症化すると犬の日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

診断方法


犬の膝蓋骨脱臼の診断には、一連の検査と評価が必要になり、診断プロセスには以下のステップが含まれます。

問診と観察
・飼い主様からの詳細な情報収集を行います。発症時期、症状の頻度、運動量の変化などについて確認します。
歩行検査を行って歩様の状態を確認します

身体検査
・触診による膝関節の検査。膝蓋骨の位置、動き、周囲の腫れや炎症の有無を確認します。
・膝蓋骨が脱臼しているかどうか、または手で押して膝蓋骨が動いてしまうかどうかを確認します。

画像診断
レントゲン検査で膝関節の詳細な構造、膝蓋骨の位置、関節の損傷や変形の有無を確認します。
・必要に応じて、MRIやCTスキャンなどの他の画像診断技術を使用することもあります。

グレード分類
膝蓋骨脱臼の重症度を、グレード1からグレード4までのスケールで評価します。

グレード1
膝蓋骨は通常の位置にあるものの、手で押すと容易に脱臼してしまう状態です。
明確な症状はあまり見られませんが、時折、膝蓋骨が脱臼した瞬間に犬が痛みを訴えることがあります。

グレード2
膝蓋骨が不安定で、日常的に脱臼したり正常な位置に戻ったりを繰り返している状態です。
脱臼していても手で容易に正常位置に戻すことが可能です。時々、片足を上げてケンケン歩きをするか、膝を曲げたり伸ばしたりする動作をすることがあります。

グレード3
膝蓋骨は常に脱臼しており、手で正常な位置に戻すことはできますが、すぐに脱臼してしまう状態です。
この段階では足を引きずるか、ケンケン歩きをすることが多くなります。関節炎が進行すると、痛みや動作の制限が生じる可能性があります。

グレード4
膝蓋骨は常時脱臼状態にあり、手で正常な位置に戻せない状態です。
重度の変形が見られ、犬は後ろ足を伸ばすことが困難になる場合があります。

これらの検査を通じて、膝蓋骨脱臼の適切な治療計画を立てていきます。また、関連する他の病気や、将来の合併症のリスクについても評価します。



治療方法


膝蓋骨脱臼の治療方法は、症状の重症度や犬の全体的な健康状態に基づいて決定し、保存療法外科手術を選択していきます。

保存療法
軽度の脱臼(主にグレード1といくつかのグレード2)では、保存療法が適用されます。
体重管理、適度な運動、関節サポートのための栄養補助食品、必要に応じて抗炎症薬や鎮痛剤の投与を行います。

外科手術
より重度の脱臼(グレード3および4、または保存療法で改善が見られないグレード2)では、外科手術が推奨されます。
また、手術にはいくつかの術式があります。当院ではグレードや症状、犬の体格など様々な要素を考慮して最適な術式を決定します。

滑車造溝術
浅い滑車溝を深く掘ることで膝蓋骨の安定性を確保します。

内側支帯リリース術
縫工筋や内側広筋を一部外し緩める術式です。

外側関節包縫縮術
膝関節を包む関節包という組織をきつく縫い縮めることで、膝蓋骨を正しい膝関節構造の位置へ整復します。

脛骨粗面転移術
膝蓋骨脱臼では大腿骨に対する脛骨の位置がズレてしまいます。脛骨粗面を切断して適切な位置に移動させることで、大腿骨と脛骨の位置関係を整復します。

そして手術後は、リハビリテーションや特別なケアが必要になることがあります。
治療法の選択は、愛犬の年齢、活動レベル、全身状態などを考慮した上で決定し、適切な治療を行うことで、快適な生活を送ることができます。

 

予防法やご家庭での注意点


膝蓋骨脱臼を予防するためには、もし肥満が原因であればダイエットを行い膝関節への負担を軽減しましょう。
家の中がフローリングであればカーペットを敷いて滑りにくくするとよいでしょう。
また、激しい運動(高い場所へのジャンプや回転するような動作など)を避けることが大切です。
そして、関節の健康をサポートするための栄養素を含んだ食事やサプリメントを取り入れることもおすすめです。

これらの予防策は膝蓋骨脱臼のリスクを完全に排除するものではありませんが、発生確率を低減し、発症後の状態を改善するのに役立つでしょう。

 

まとめ


犬の膝蓋骨脱臼は、特に小型犬種に多く見られる病気で、飼い主様が気づかないうちに進行して歩行に異常が見られることがあります。

早期発見、早期治療を行えば手術を行わずに済む可能性が高くなるため、半年から1年に1回は獣医師による健康診断を受けましょう。


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