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猫に多い泌尿器疾患について|水を飲む量が低下しないように注意2024年02月07日

皆様は猫や犬は泌尿器系 (腎臓、尿管、膀胱などの尿の排泄に関与する器官)の病気に罹りやすいことをご存じでしょうか?尿は体内の不要な成分を排泄する役割と同時に、膀胱や尿路で繁殖した細菌や結石の初期段階である尿中の結晶成分を洗い流す役割も持っています。

この記事では猫に多い泌尿器系の病気について詳しく解説していきます。

■目次
1.よく見られる病気
2.よく見られる症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

よく見られる病気


猫に多い泌尿器疾患として代表的なものは以下の通りです。

・猫の下部尿路疾患(FLUTD)
・慢性腎臓病
・膀胱炎
・尿路結石症
・尿路閉塞
・膀胱腫瘍

下部尿路疾患とは、膀胱から尿道までの下部尿路に発生する様々な病気をまとめた総称です。下部尿路疾患に含まれる病気は、膀胱炎、尿路結石症、膀胱腫瘍などがあります
これらの病気が単独もしくは複数発生し、尿の排泄に伴う様々な症状が見られます。

 

よく見られる症状


泌尿器とは文字通り尿の排泄に関わる器官ですので、泌尿器疾患では尿に関する症状が主に発生します。
具体的には、以下のような症状を示します。

トイレに行く回数が増えた
何度もトイレに行くのに、尿が少ししか出ない
排尿の姿勢をとる時に痛そうに鳴く
尿に血が混じる、白く濁る
トイレ以外の場所で排尿する、粗相をする回数が増えた
常にソワソワして落ち着きがない
元気や食欲が低下する

他にも、慢性腎臓病では多飲多尿や嘔吐、便秘、口内炎などが見られる場合や、尿路閉塞や膀胱腫瘍などでは、尿路が物理的に塞がってしまい排尿できない場合もあります。

いずれの場合も、尿は腎臓で取り除かれた老廃物や毒素を排泄する役割を持つことから、泌尿器系の疾患は放置すると命の危険もある油断できない病気です。

 

診断方法


猫の泌尿器疾患は身体検査、血圧測定、尿検査、血液検査、レントゲン検査、エコー検査などの結果を総合的に評価して行います。

身体検査
脱水症状の有無や、膀胱の張り具合などを確認します。

血圧測定
血圧が高いと慢性腎臓病の進行が早くなるため、高血圧かどうか確認します。

尿検査
尿比重の低下、タンパク尿、血尿、尿中の結晶などが見られないか確認します。

血液検査
泌尿器疾患の診断において血液検査は欠かせません
特に慢性腎臓病ではBUN (尿素窒素)、クレアチニン、SDMAが上昇することが知られています。
これらの項目は慢性腎臓病のステージ分類や進行具合を確認するために、通院毎に測定する場合があります。

レントゲン検査
腎臓のサイズの測定や、腎臓腫瘍、膀胱腫瘍、尿路結石の有無などを評価します。

エコー検査
腎臓や膀胱内部の状態を確認します。
エコー検査はリアルタイムで臓器の内部状態や炎症性病変の有無、尿路の閉塞などを確認することができるため、泌尿器系疾患の診断では必須の検査です。

 

治療方法


猫の下部尿路疾患(FLUTD)の場合は、原因疾患に即した治療を行います。
膀胱炎の場合は抗生剤の内服尿路結石の場合は食事療法や結石の摘出、会陰尿道造瘻術(細い尿道を切除し、尿道の出口を再建する手術)などの外科手術などが主な治療法です。

慢性腎臓病の場合は、一度低下した腎機能を回復させる方法はないため、これ以上腎機能を失わないように皮下点滴、食事療法、サプリメントの内服などを行います。
慢性腎臓病は病気を早期に発見して適切な治療を行い、腎機能が低下するスピードを遅らせることが何よりも大切です。

 

予防法やご家庭での注意点


猫の泌尿器系の病気は、飲水量が低下する冬場に多発する傾向にありますので、普段から新鮮な水が常に飲めるように環境を整えることが重要です。
自動給水機も猫の興味を引きやすく、結果として猫がよく水を飲むようになるでしょう。

また、過去に尿路結石や尿路閉塞などの病気を患ったことがある場合には、冬に同様の病気が再発する可能性があるため十分注意してください。

 

まとめ


特に高齢猫は慢性腎臓病になるリスクが非常に高く、猫にとっては避けられない病気とも言われるほどです。

慢性腎臓病以外にも、膀胱炎や尿路結石は猫でよく見られる病気であるため、普段から定期的に健康診断を受診し、疾病の早期発見・早期治療を心がけましょう

 

■猫に多い病気はこちらで解説しています
猫の甲状腺機能亢進症について|老猫に多い内分泌の病気
猫の慢性腎臓病について|気になる症状や治療法を解説

 

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