ウサギのスナッフル┃お迎えしたばかりの子ウサギは特に注意が必要2024年05月30日
ウサギと生活しているとスナッフルという病気を耳にしたことがあると思います。
スナッフルとは慢性鼻炎のことで、正式な病名ではなくニックネームに近い呼び方です。
今回は、お迎えしたばかりの子ウサギの命を奪うことも多いこの病気について、詳しくお伝えします。
■目次
1.スナッフルとは?
2.原因
3.症状
4.診断方法と治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
スナッフルとは?
ウサギのスナッフルとは、鼻水や鼻詰まりによって呼吸が苦しくなる呼吸器疾患のことを指し、「鼻性呼吸」「閉塞性鼻呼吸」「慢性鼻炎」とも呼ばれています。
ウサギは元々肺活量が少ないので、重症化すると呼吸困難に陥り、命に関わる危険性もあります。
原因
スナッフルの原因として一番多いのがパスツレラという細菌の感染です。その他、黄色ブドウ球菌や気管支敗血症菌などさまざまな細菌によっても引き起こされることがあります。
通常、これらの細菌に感染しても無症状で経過することもありますが、ストレスなどが原因で免疫力が低下すると、細菌が異常増殖してスナッフルを発症すると考えられています。
さらに、不正咬合による鼻腔の圧迫やタバコの煙などの刺激は、スナッフルを引き起こす細菌の増殖を促す要因となり得ます。
症状
スナッフルの初期症状として、軽いくしゃみと透明でさらさらした鼻水が見られますが、症状が進行すると膿のようなどろっとしたものに変わります。ウサギは鼻水を気にして前足を使って鼻や顔をしきりに拭くため、前足の内側の毛がべとつくことがよくあります。
感染は鼻だけでなく、目や耳にも広がることがあり、涙や目やにの増加、時には斜頸(首が傾く症状)が見られることもあります。
症状がさらに悪化すると呼吸困難によって元気や食欲が低下し、最悪の場合は肺炎を発症し命に関わることもあります。
診断方法と治療方法
スナッフルの診断は主に症状に基づいて行われますが、病状が肺炎など他の重篤な疾患に進行していないかを確認するためにレントゲン検査が用いられることがあります。また、感染している細菌を特定するために鼻汁を採取しての細菌培養検査も行われることが一般的です。
ウサギの全体的な健康状態を評価するため、血液検査を実施することもあります。この検査を通じて、内臓の機能や血液の状態、感染の程度が明らかになります。
治療には、細菌に効果的な抗菌薬が使用されます。抗菌薬は感染の広がりを抑え、症状を緩和するために重要です。
また、重症化して呼吸困難を呈している場合は、入院治療とともに酸素室での管理を行うこともあります。
予防方法やご家庭での注意点
スナッフルの感染経路は、細菌を保有している他のウサギのくしゃみや鼻汁などからの飛沫感染です。特に、ペットショップからお迎えしたばかりの子ウサギは細菌を持っていることが多く、環境の変化によるストレスなどで発症しやすいため特に注意が必要です。
そして、こまめな掃除と適切な温度湿度、良質なフードと新鮮な水を欠かさないようにしましょう。加えて、タバコの煙はウサギにとって刺激となり、呼吸器疾患のリスクを高めてしまいますので、ウサギのいる部屋での喫煙も控えるようにしましょう。
まとめ
今回の記事ではウサギのスナッフルについてお伝えしました。人の場合、軽いくしゃみや鼻水で病院に行くことは少ないかもしれませんが、ウサギの場合はこれらの症状を放置すると、重篤な状態に進行する恐れがあります。
特に子ウサギの場合、初期のくしゃみや鼻水も見逃さず、早めに動物病院での診察を受けることが大切です。症状が一時的に改善しても、ストレスなどで再発を繰り返すことは珍しくありません。
ウサギは非常に繊細な生き物で、少しの変化にも敏感です。そのため、日常生活でストレスを与えないような環境作りに努め、常にウサギの健康に注意を払いながら、優しく寄り添う飼育を心がけましょう。
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