「これって癌?」犬や猫のしこりに気づいたときに、まず知ってほしいこと2026年02月15日
愛犬や愛猫との日々のスキンシップは、健康状態の変化に気づく大切な時間でもあります。なでたり、抱っこしたり、ブラッシングをしたりする中で、体表(皮膚)に小さなしこりやできものを見つけることもあるのではないでしょうか。
そんなとき、多くの飼い主様が「これって腫瘍なのかな?」「もしかして癌(がん)だったらどうしよう…」と、不安に思われるかと思います。言葉を話せない大切な家族のことだからこそ、最悪のケースを想像してしまうのは自然なことです。
一方で、しこりは見た目や触った感じだけで種類を判断することができず、正確な診断には動物病院での検査が欠かせません。インターネットの情報などだけで自己判断してしまうと、適切なタイミングでの治療機会を逃してしまうこともあるので注意が必要です。
今回は、犬や猫の体表にできる「しこり」にはどのような原因が考えられるのか、そして気づいたときに飼い主様が取るべき行動について、獣医師の視点から整理してお伝えします。

■目次
1.犬や猫の「しこり」とは?考えられる原因を整理
2.「これって癌?」と思ったときに知っておきたいこと
3.ご家庭でのチェックポイント|受診の目安を整理
4.動物病院では何をする?|負担の少ない検査から始められます
5.まとめ|しこりに気づいた“そのとき”が、いちばん大切なタイミング
犬や猫の「しこり」とは?考えられる原因を整理
まず知っておいていただきたいのは、すべてのしこりが癌というわけではないということです。体表のしこりには、いくつかのタイプがあります。
◆良性腫瘍
ゆっくりと大きくなることが多く、転移や再発の可能性はほとんどないとされています。しこりと周囲の組織との境界がはっきりしている場合が多く、脂肪細胞からできる「脂肪腫」や、ウイルス感染が関与する「乳頭腫」などが代表的です。
◆悪性腫瘍(いわゆる癌)
成長が早かったり、周囲の組織に広がったり、転移する可能性があるタイプです。皮下で根を張るように広がることもあり「肥満細胞腫」「扁平上皮癌」「乳腺腫瘍(乳がん)」などが含まれます。
◆炎症・感染による腫れ
虫刺されや細菌感染などにより、皮膚が赤く腫れたり、痛みや熱感を伴ったりすることがあります。
◆嚢胞(のうほう)
袋状の構造の中に、角質や分泌物などがたまってできるしこりです。
特に重要なのが、良性腫瘍と悪性腫瘍の見極めは、見た目や触り心地だけではできないという点です。「大きくないから大丈夫そう」「柔らかいから安心」といった印象だけで判断してしまうと、本来確認しておきたい変化を見逃してしまうこともあります。
「これって癌?」と思ったときに知っておきたいこと
しこりに気づいて来院された飼い主様から「これって、もしかして癌ですか?」とご相談を受けることは少なくありません。正直にお伝えすると、その可能性は完全にゼロとは言い切れません。
ただし同時にお伝えしたいのは、早い段階で気づき、適切に確認することで、治療の選択肢が広がるケースが多いということです。小さいうちに見つかれば、体への負担が少ない方法を選べたり、経過観察で済む場合もあります。
一方で「もう少し様子を見よう」「大きくなってから受診しよう」と受診が遅れてしまい、しこりが破れてしまったり、治療の選択肢が限られてしまったりするケースも、実際に見られます。
だからこそ大切なのは「気づいたとき」に一度きちんと確認することです。早い段階で検査を行うことで、安心につながる場合も多く、もし治療が必要な場合でも、より負担の少ない選択肢を検討しやすくなります。
ご家庭でのチェックポイント|受診の目安を整理

しこりに気づいたとき「すぐ病院に行くべき?」「少し様子を見てもいいのかな?」と迷われる飼い主様も多いのではないでしょうか。そこでまずは、ご家庭で確認できる“受診の目安”となるポイントを整理してみましょう。
<こんな変化が見られたら、一度ご相談ください>
・大きさ:短期間で目に見えて大きくなっている
・硬さ:触ったときの感触が、以前と比べて変わってきた
・動き:皮膚の下で動きにくい、固定されているように感じる
・痛み・赤み・熱感:触ると嫌がる、赤く腫れている、熱っぽい様子がある
・数:しこりの数が増えてきている
これらは、あくまでも「受診を検討する目安」であり、ご家庭で良性・悪性を判断するためのものではありません。
インターネットで検索すると、写真や体験談がたくさん見つかります。しかし、見た目や症状が似ていても、実際の診断結果が異なることは決して珍しくありません。「良性っぽいから大丈夫そう」と自己判断してしまうことで、受診のタイミングを逃してしまうケースもあります。
少しでも気になる変化があれば、様子を見る前に一度動物病院で確認することが、愛犬・愛猫の健康を守る近道になります。
動物病院では何をする?|負担の少ない検査から始められます

「しこりがあると分かったら、すぐに大きな検査や手術になるのでは…」と不安に感じる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。しかし実際の診察は、いきなり負担の大きな検査から始まるわけではありません。
まずは、しこりの見た目や大きさ、触ったときの硬さや動き、周囲の皮膚の状態などを、視診・触診で丁寧に確認します。そのうえで、必要に応じて段階的に検査を進めていきます。
◆細胞診(針生検)
細い針をしこりに刺して、中の細胞を少量採取し、顕微鏡で調べる検査です。
多くの場合、麻酔を使わず短時間で終わるため、愛犬・愛猫への負担が比較的少ない方法です。しこりの性質を知るための、最初の大切な手がかりになります。
◆病理検査(必要に応じて)
細胞診だけでは判断が難しい場合には、組織の一部を採取して、より詳しく調べる検査を行うことがあります。診断の精度を高め、今後の治療方針を考えるために役立ちます。
このように、状況に応じて体への負担をできるだけ抑えた検査から進めていくのが基本です。「しこり=すぐに大がかりな検査・手術」と構える必要はありません。
リアンアニマルクリニックでは、その子の体調や性格、ご家族のお気持ちも大切にしながら、無理のない検査方法を一緒に相談して決めていきます。「まずは話だけ聞いてみたい」「検査が必要かどうか知りたい」という段階でも、どうぞ安心してご相談ください。
まとめ|しこりに気づいた“そのとき”が、いちばん大切なタイミング
日々のスキンシップの中で見つかる、犬や猫のしこり。それは、体の内側で起きている変化を知らせてくれる、大切なサインでもあります。
しこりの正体は一つではなく、時間の経過や状態によって対応の考え方も変わってきます。だからこそ「今の状態を知ること」そのものが、これからの選択を落ち着いて考えるための第一歩になります。
当院では、検査結果だけで判断を急ぐのではなく、その子の年齢や生活環境、ご家族の考えも丁寧に伺いながら、無理のない進め方を一緒に整理していきます。不安を抱えたまま悩み続けるよりも「いま何が起こっているのか」を確認することで、気持ちが軽くなるケースも少なくありません。
「これって大丈夫かな?」と感じたときは、その感覚を大切にして、どうぞお気軽にご相談ください。
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