〒285-0854千葉県佐倉市上座684-1 エステート弐番館102号

043-235-7835
お電話対応時間 9:00~19:00
(水曜・祝日と日曜午後休診)


最新情報

猫が急に痩せた?ダイエット以外の危険な原因とチェックポイント2025年08月01日

「最近、猫が痩せてきた気がする…」と心配して来院される飼い主様は少なくありません。猫の体重が減る理由には、加齢にともなう体の変化や、生活環境の変化などが影響していることもありますが、中には病気が隠れているケースもあります。特に猫は、体調不良を隠す傾向が強いため、体重の変化は見過ごせない健康サインのひとつです。

今回は「猫が痩せた」と感じたときに考えられる原因や病気、チェックすべき症状、受診時のポイント、そして日常の健康管理の重要性についてご紹介します。

■目次
1.猫の正常な体重と「痩せすぎ」の見分け方
2.急激な体重減少で考えられる主な病気
3.こんな症状があったら要注意!併発症状のチェックリスト
4.受診前の準備と診察時のポイント
5.体重変化は「猫の健康バロメーター」
6.まとめ

 

猫の正常な体重と「痩せすぎ」の見分け方


猫の体重は品種や体格によって差がありますが、一般的には成猫で3〜5kg前後が目安となります。日頃から定期的に体重を測ることで、愛猫の「いつもの状態」を把握しておくことが大切です。

体型の評価には、BCS(ボディコンディションスコア)という指標もあります。BCSは1〜5(または1〜9)段階で評価され、数値が小さいほど痩せていると判断されます。肋骨の触れやすさや腰のくびれ具合などが評価基準になりますが、慣れるまではご家庭で判断が難しい場合もあるため、一度動物病院でのチェックをおすすめします。

特に「痩せすぎ」の状態は、健康への影響も大きいため注意が必要です。以下はBCSをもとにした目安です。

BCS 2/5(痩せ気味)
理想体重の約86〜94%。肋骨は薄く脂肪に覆われ、腰に明確なくびれが見られます。

BCS 1/5(削痩)
理想体重の85%以下。肋骨に脂肪がほとんどなく、骨に容易に触れることができます。腹部のへこみが深く、上から見ると極端なくびれ(砂時計型)が見られます。

 

急激な体重減少で考えられる主な病気


猫が急に痩せた場合、以下のような病気が関わっている場合があります。早期の診断と治療が重要です。

甲状腺機能亢進症
高齢猫に多くみられる内分泌疾患で、食欲は旺盛なのに体重が減るという特徴があります。活動量が増えたり、落ち着きがなくなる傾向も。

猫の甲状腺機能亢進症についてはこちらから

 

糖尿病
「多飲多尿」(水をたくさん飲み、尿の量が増える)に加え、体重減少や脱水がみられることもあります。放置すると合併症のリスクが高くなります。

猫の糖尿病についてはこちらから

 

慢性腎臓病
高齢猫で特に多く、食欲不振、嘔吐、脱水、体重減少などがゆっくりと進行します。初期では目立った症状がないこともあるため注意が必要です。

猫の慢性腎臓病についてはこちらから

 

消化器疾患
慢性腸症や腫瘍などにより、食欲はあるのに痩せていくことがあります。下痢や嘔吐といった消化器症状を伴うことも。

 

全身性の腫瘍(がん)
リンパ腫や内臓腫瘍など、初期には症状が乏しく、体重減少が最初のサインとなることがあります。

当院のがん・腫瘍治療についてはこちらから

 

歯科疾患
歯周病や口内炎によって、食事の際に痛みが生じ、フードを十分に摂取できなくなるケースがあります。口臭やよだれ、偏食もヒントになります。

猫の口内炎についてはこちらから

 

こんな症状があったら要注意!併発症状のチェックリスト


単なる体重減少か、それとも病的な痩せ方かを見極めるために、次のような併発症状も確認しましょう。

猫の体重減少に関連する注意すべき症状を示すイラスト。食欲の変化、水の摂取量・尿量の変化、消化器症状、元気や活動量の低下、被毛や毛玉の変化など、猫の体調異変のサインをわかりやすく解説

食欲の変化:食べているのに痩せる/食欲がない/フードを残す
水の摂取量・尿量の変化:多飲多尿/排尿が少ない・ない
消化器症状:嘔吐や下痢が続く
元気・活動量の低下:横になってばかり/遊ばない/表情が乏しい
被毛や毛玉の変化:毛がボサボサしている/毛玉を頻繁に吐く

複数当てはまる場合は、特に注意が必要です。ご家庭で気づいた異変は、見逃さずに記録しておきましょう。

 

受診前の準備と診察時のポイント


「猫が痩せた」「体重が減ってきた」と感じたら、迷わず動物病院に相談しましょう。受診時に以下の情報を用意しておくと、診察がスムーズに進み、診断の助けになります。

体重の記録:いつから、どのくらい体重が減ったか
食事内容と変化:種類、量、食べ方の変化、食欲の有無
飲水・排尿の様子:回数や量の目安
日常の様子:動画や写真での記録(元気な時との比較が有効)

病気によっては血液検査、エコー検査、レントゲン、内視鏡検査などが行われることもあり、必要に応じて外科的な治療や入院管理が提案されるケースもあります。

 

体重変化は「猫の健康バロメーター」


猫は体調の変化をあまり表に出さないため「なんだか痩せたかも?」と気づいたときには、すでに体の中で何かが起きている場合もあります。ですが、早めに気づいてあげることができれば、それだけ早く対応できるということでもあります。

愛猫の健康を守るためには、まずはご家庭での体重チェックを習慣してみてください。月に1回でもこまめに記録しておくと、少しの変化にも気づきやすくなります。そして、年に1回(シニア期の猫では年2回)を目安に、健康診断を受けておくとより安心です。

特に慢性の病気では、早めに見つけて治療を始めることで、愛猫の体にかかる負担を減らし、穏やかな時間を守ることにもつながります。無理なく続けられる範囲で、できることから始めていきましょう。そしてその変化を、私たちにもぜひお聞かせください。

 

まとめ


猫の体重減少は「様子を見る」のではなく「原因を探る」べきサインです。痩せた原因を正しく把握し、早期に対応することで、病気の進行を防ぎ、愛猫の健やかな暮らしを守ることができます。

ちょっとした変化に気づけるのは、毎日一緒に過ごす飼い主様だからこそ。猫の健康を守る“最前線”として、日々の観察と健康管理を大切にしましょう。気になることがあれば、ぜひ当院にお気軽にご相談ください。

 

千葉県佐倉市の動物病院なら「リアンアニマルクリニック」
診療案内はこちらから

初めての方はお電話からご予約を!
お電話番号:043-235-7835
予約可能時間:午前 9:00~12:00 / 午後 16:00~19:00  
水曜・祝日と日曜日の午後は休診となりますのでご注意ください。

受診歴のある方は下記から予約
WEB診療予約はこちら(受診歴のある方のみ)

■電車でお越し場合
ユーカリが丘駅・地区センター駅から徒歩6分

■車のお越し場合
駐車場5台完備
アクセスはこちらから

記事一覧へ