犬が高齢になった時の生活の注意点は?|老化のサインやフードについて解説2024年11月16日
私たち人間と同じように、犬も年齢を重ねるにつれて体の機能が徐々に衰え、それに伴い病気にかかるリスクも高くなります。そのため、老齢期にはさまざまな健康トラブルが現れ始めます。
老化が見られると、若い頃と同じ生活を続けるのが難しくなり、愛犬のQOL(生活の質)を保つためには、飼い主様による丁寧なケアが欠かせません。
今回は具体的な老化のサインや注意が必要なトラブルについて詳しくご紹介します。
また、食事や生活環境の工夫についてもまとめましたので、ぜひ参考にしていただき、愛犬が健やかに老後を過ごせるようにサポートしていきましょう。
■目次
1.犬の老齢期はいつから?
2.老化のサイン
3.高齢になった際のトラブルとその対処法・予防法
4.まとめ
犬の老齢期はいつから?
犬の寿命は、犬種や日々の飼育環境によって大きく異なります。一般的に、小型犬の平均寿命は13~15歳、大型犬では10~12歳とされています。
そのため、小型犬の場合は10歳頃、大型犬では8歳頃を目安に「老齢期」と呼ばれることが多いです。愛犬の年齢や健康状態に合わせて、少しずつシニア期のケアを意識することが大切です。
老化のサイン
犬の老化のサインは、ある日突然現れるものではなく、少しずつ年齢を重ねることで徐々に現れてきます。ふとした日常の中で、以下のような変化に気づくことが多いでしょう。
・活動量の変化:お散歩の途中で座り込むことが増えたり、段差の昇り降りをためらったり、以前のようにおもちゃで遊ばなくなることがあります。
・食事と水分の摂取:食べる量が減ったり、食事のペースがゆっくりになったり、水を飲む量が減少してきます。
・排泄の変化:尿漏れがあったり、トイレに行く回数が増えたり、少量の尿を何度もすることがあります。
・睡眠パターンの変化:寝ている時間が長くなり、日中の活動が少なくなることがあります。
・体重の変動:筋肉が落ちて体重が減る場合もあれば、代謝が低下して運動量が減ることで体重が増えることもあります。
・毛並みや皮膚の状態:毛並みが以前よりも悪くなったり、白髪が目立つようになったり、皮膚が乾燥することがあります。
・認知機能の変化:部屋の中をウロウロと徘徊したり、無駄吠えが増えたり、トイレの場所を間違えることが出てくるかもしれません。
・知覚機能の変化:呼びかけに反応しない、物や壁にぶつかる、距離感がうまくつかめない、といったことが見られるようになります。
高齢になった際のトラブルとその対処法・予防法
愛犬が高齢になると、特有のトラブルが現れることがあります。以下に、よく見られるトラブルとその対処法、予防法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
<ご飯を食べない、食欲が低下している場合>
高齢になると代謝が低下し、若い頃と比べて必要なカロリーが減ってくるのは自然なことです。しかし、フードを完食しないなど、明らかに食欲が低下している場合は、次のような工夫を取り入れてみてください。
・嗜好性を高めるために、フードに少しトッピングを加えてみましょう。
・フードをお湯でふやかすと、香りが立ち、柔らかくなって食べやすくなります。
・フードの種類を変えることで、飽きずに食べ続けられるように工夫してみてください。
高齢の犬には、その年齢に合った栄養バランスを考えたフードを選ぶことが大切です。 関節の健康を支える成分や消化を助ける成分、全体的な健康を維持するためのビタミンやミネラルが含まれているフードが適しています。
また、健康に問題を抱える場合は、獣医師の指示に従って特定の療法食を取り入れることが重要です。たとえば、心臓病や糖尿病のリスクが高い犬にはそれらの病気に配慮したフードが推奨され、肥満が気になる場合には低カロリーのフードが適切です。
そして、代謝をできるだけ維持するためには、筋肉量を保つことが大切です。そのため、無理のない範囲でお散歩を続けることが、愛犬の健康を保つ鍵となります。毎日の運動は、筋肉を維持するだけでなく、心身の刺激にもなりますので、ぜひ時間を確保してあげましょう。
<動きが鈍くなってきた場合>
高齢犬になると、筋力の低下や関節の問題などで立ち上がるのを嫌がったり、歩行がふらついたりすることがあります。これにはさまざまな理由が考えられますが、愛犬の足腰にできるだけ負担をかけないための対策を講じることが大切です。
以下のような工夫を取り入れて、日常生活をサポートしてあげましょう。
・フローリングに滑り止めのマットを敷くことで、滑って転倒するリスクを軽減します。
・段差にはスロープを設置すると、階段やベッドへの昇り降りが楽になります。
・足の裏の毛や爪をこまめにケアすることで、滑りにくく歩きやすくなります。
また、予防策として、関節をサポートするサプリメントを取り入れることも検討してみるのもよいでしょう。
<徘徊や無駄吠えなど、問題行動が増えた場合>
高齢犬になると、徘徊や無駄吠えといった行動が目立つようになることがあります。これは、認知機能の低下に伴って現れることが多く、完全に治すことは難しいかもしれません。しかし、愛犬ができるだけ快適に過ごせるよう、以下のような対策を試してみましょう。
・生活環境をサークルで囲うことで、無駄な徘徊を防ぎ、安心できる空間を作ります。
・お留守番の時間を短くすることで、不安やストレスを軽減します。
・抗酸化作用のあるサプリメントを使用して、認知機能をサポートすることも一つの方法です。
ただし、こうした行動がすべて老化によるものとは限りません。高齢犬は、慢性腎臓病、僧帽弁閉鎖不全症、変形性関節症、糖尿病、白内障など、進行性の病気にかかりやすくなります。
もし対策を講じても改善が見られなかったり、急に症状が悪化したりした場合は、自己判断せずに早めに動物病院を受診しましょう。病気の早期発見が、愛犬の健康を守る鍵となります。
まとめ
愛犬が高齢になると、さまざまな体調の変化が現れやすくなるため、日々の生活でのケアがますます重要になります。
ただし、今回お伝えした老化のサインは、単なる加齢だけでなく、病気が原因で起こっている可能性もあります。病気の早期発見につなげるためにも、定期的な健康診断を受け、愛犬の全身の健康状態をチェックすることが大切です。
ご家庭でのケアと動物病院での検査をうまく取り入れながら、愛犬と一緒に過ごす時間を、少しでも長く、そして快適に過ごせるようにしてあげましょう。
■老犬に多い病気はこちらで解説しています
・犬と猫の健康診断の重要性|愛犬・愛猫の健康のために
・犬の歯周病について|老犬で多い歯の病気
・老犬に多い膵臓の病気、糖尿病について|放っておくと命に関わることも
・慢性腎不全について|老犬に多く発生する腎臓の病気
・白内障について|老犬に多い目の病気
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