犬・猫の食欲がない時の対応ガイド|食欲不振の見極め方と対策を獣医師が教えます2025年11月15日
いつも元気にごはんを食べる愛犬や愛猫が、急に食欲をなくすと不安になりますよね。
実は「食欲がない」というサインは、とても幅広い状況で見られるものです。ちょっとしたストレスや環境の変化で一時的に起こることもあれば、深刻な病気が隠れている場合もあります。そのため、正しく見極めるには検査を通じた丁寧な診断が必要です。
今回は犬や猫の食欲不振について、その原因や受診の目安、診断や治療の流れ、そしてご家庭でできる工夫について獣医師が詳しく解説します。

■目次
1.食欲不振の原因は?
2.動物病院を受診する目安
3.診断と治療|当院でのアプローチ
4.ご家庭でできる工夫と予防
5.まとめ
食欲不振の原因は?
犬や猫の食欲が落ちる背景には、さまざまな原因が潜んでいます。「胃腸の調子が悪いのかな」と思われがちですが、実はそれだけではありません。代表的なものをいくつか見てみましょう。
◆消化器系の問題
胃や腸にトラブルがあると、直接的に食欲へ影響します。
例)胃腸炎、膵炎、腸閉塞、異物の誤飲
◆口腔内の問題
口の中の痛みや違和感で「食べたいのに食べられない」状況になることがあります。
例)歯周病、口内炎、口腔内腫瘍、口の中に異物
犬・猫の歯周病についてはこちらから
猫の口内炎についてはこちらから
◆全身性疾患
体全体に関わる病気では、だるさや痛みによって食欲が低下します。
例)腎臓病、肝臓病、副腎皮質機能低下症、糖尿病、腫瘍
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◆感染症
ウイルスや細菌、寄生虫が原因となり、発熱や全身状態の悪化から食欲が落ちることがあります。
例)猫伝染性鼻気管炎、猫白血病ウイルス感染症、猫伝染性腹膜炎(FIP)、犬パルボウイルス感染症
◆心理的要因
環境の変化やストレスといった心の負担が食欲に影響することがあります。
例)引っ越し、同居動物の増加、騒音や来客によるストレス
◆加齢に伴う変化
年齢を重ねることで代謝や消化機能が落ち、若い頃のように食べられなくなることがあります。
例)高齢による消化不良、慢性腎臓病や心臓病の併発
このように「食欲不振」というひとつのサインの裏には、多様な背景が隠れています。複数の領域にまたがる病気のサインでもあるため、検査を通じて原因を一つずつ確認していくことが大切です。
動物病院を受診する目安
犬や猫が食欲を失っているとき「どの程度で病院に行くべきか」と迷う方も多いのではないでしょうか。次のような状態が見られる場合は、早めに動物病院に相談することをおすすめします。
・丸一日以上、まったく食べない
・好物やおやつにも反応しない
・嘔吐や下痢などの症状を伴っている
・ぐったりして元気がない
特に猫は、食べない状態が続くと肝臓に大きな負担がかかり、急速に体調が悪化することがあります。ほんの些細なことでも「気になるな」と感じたときは、迷わずご連絡ください。
診断と治療|当院でのアプローチ

「食欲がない」という症状は、診断のスタート地点に過ぎません。
ストレスや食事の変更といった一時的な原因の場合もあれば、重大な病気が隠れていることもあります。そのため当院では、問診や検査を段階的に組み合わせ、考えられる可能性を一つずつ丁寧に確認していくことで、確定診断へと導くことを大切にしています。
▼問診・身体検査
まず飼い主様から詳しくお話を伺い、食欲が落ちた時期、フードや環境の変化、排泄の様子、併発している症状などを確認します。あわせて口腔内や腹部の状態、脱水の有無、痛みの反応などを全身的にチェックします。
▼各種検査
問診・身体検査で得られた情報をもとに、必要に応じて次のような検査を進めていきます。
・血液検査:肝臓や腎臓の機能、炎症の有無などを数値から読み解きます
・画像診断(レントゲン・エコー):臓器や消化管の状態を確認し、腫瘍や膵炎、異物の有無などを評価します
・内視鏡検査:消化管内の観察や異物の除去、必要に応じて組織検査を行います
・内分泌検査:副腎皮質機能低下症や甲状腺機能の異常などを調べます
・感染症検査:ウイルス・細菌・寄生虫の関与を確認します
▼診断の確定と治療方針のご提案
こうして可能性を順に排除・確認しながら原因を特定し、その結果に基づいて最適な治療を選択します。ご家庭でのケアや再診の計画も含め、丁寧にご説明します。
<診断結果に応じた治療の一例>
・軽度の胃腸炎 → 整腸剤や点滴などの内科療法
・歯周病や口腔内の問題 → 歯科処置
・異物の誤飲や腫瘍 → 外科手術を検討 など
▼経過観察とフォローアップ
治療後は反応を見ながら必要に応じて治療を微調整します。経過の中で新しい症状や変化が出た場合には、もう一度診断の流れに立ち戻り、原因をあらためて探っていきます。
このように当院では、日本動物病院協会(JAHA)の内科認定医として、体系的な診断アルゴリズム(診断手順)に沿って一歩ずつ診療を進めています。症状の背景にある原因を正確に見極め、適切な治療へとつなげることを常に心がけています。
「これくらいで病院に行っていいのかな?」と迷うような些細な変化でも、まずはお気軽にご相談ください。しっかりと判断し、飼い主様と一緒に安心できる道筋を見つけていきます。
ご家庭でできる工夫と予防

食欲を保つためには、病気の有無にかかわらず日常のケアがとても大切です。ちょっとした心がけで、愛犬や愛猫が快適に過ごせるだけでなく、病気の早期発見や予防にもつながります。
◆安心できる環境づくり
大きな音や急な生活リズムの変化は、犬や猫にとって大きなストレスになります。静かで落ち着ける環境を用意してあげることが、食欲を維持する第一歩です。
◆適度な運動習慣
犬は毎日の散歩、猫は遊びや上下運動ができる環境を整えることで、代謝や消化の働きが良くなります。運動不足は体重増加やストレスの原因にもなるため、年齢や体力に合わせて続けていきましょう。
◆デンタルケア
歯周病や口内炎は「食べたいのに痛くて食べられない」という状態を招くことがあります。毎日の歯みがきを基本に、難しい場合や補助的なケアとして、デンタルガムや専用のジェルを活用するのも良いでしょう。
◆フードの工夫
急な切り替えは胃腸に負担をかけるため、少しずつ行いましょう。高齢の子や噛む力が弱ってきた子には、水でふやかすなど形状を工夫すると食べやすくなります。
さらに、定期的な健康診断を受けていただくこともおすすめです。ご家庭では気づきにくい小さな変化も、検査によって早期に発見できれば、治療の選択肢を広げ、症状の進行を防ぐことにつながります。
リアンアニマルクリニックでは、今年も10月から12月の期間で秋の健康診断キャンペーンを実施します。ぜひこの機会をご活用ください。
まとめ
犬や猫の食欲不振にはさまざまな理由が隠れており、受診のきっかけとなる大切なサインです。
当院では、飼い主様からの丁寧なヒアリングと検査を通じて、考えられる可能性を一つずつ順番に確認し、正確な診断へと導きます。そのうえで、その子にとって最も適切な治療方法をご提案いたします。
「様子を見ても大丈夫かな?」と迷ったときこそ、早めにご相談いただくことが安心につながります。どうぞお気軽にご連絡ください。
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